もう一人の自分

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無意識の存在

前回、わたしの星座である牡羊座について書きましたが、それに対して絶対に避けては通れない「もう一人のわたし」とも呼べる星座があります。それは月星座という存在です。素の自分とか無意識の自分とも呼べる星座で、生まれた時からその影響を大きく受け続けていると考えらています。

以前のエントリー記事で自分のネイタルチャートを作ってみましたが、その時は出生時刻が不明なため正確なところはわからずにいました。その後、母親から大体の出生時刻を聞き出し、精度を上げて作成したものが以下のチャートになります。

太陽の真反対側に位置しているのが月で、天秤座に位置しているのがわかります。オポジション(180度)のアスペクトを描いていて、一見対立しているようにも見えますがお互いに高め合う関係でもある。わたしの場合は同時には相容れないまでも、時期によりその役割を交代しながら前に進んでいくというようなイメージですね。まさに人生の「舵取り役」と言えるかもしれません。

自分の道にこだわり続ける姿勢、それは同じサインに存在する冥王星の影響も大きいのかもしれません。それが月と共にあるということは、限界を超えてどんなに進もうとも、結局最後はバランスを取る位置に返ってくるという、自分のなかの”信頼”にもつながる絶妙な配置にもなっていると感じます。

チャートを見てもあらためて感じますが、実はいままでも無意識に感覚の上はわかっていたことなのだと思います。それを時系列をもつ”言葉”として紐解いてみたときに、あらためて実感させてくれるのが占星術の魅力なのかもしれません。

道化師の性質とは

今回もトートタロットに対応させて見ていきたいと思います。天秤座を示すのはアテュ8番目のカードである「VIII Adjustment」。「調整」をあらわすカードです。

crowley-thoth.com

クロウリーによれば、調整のカードに描かれているのはエジプトの正義の女神、マアトである。彼女はまた愚者のパートナーでありハーレクインだともクロウリーは述べている。

引用:『トート・タロット図解』1.アテュ アジャストメント 調整

自分のなかの少年でもある月に寄り添うハーレクイン、いわゆる「道化師」。一見おどけて見えるピエロのようでもありますが、その奥にある根本的な性質というのは、その場の空気に合わせて必要なものを瞬時に取り出すことができる、風のような「冷静な判断」を持ち合わせているということ。

どんなものを持ってきたとしても、それを魅せる域まで昇華させることができる。少年にとってこれほど信頼のおける相棒というのは他にいないでしょう。女性として描かれていることからも、これがまさに母親と息子のような関係性なのだということを暗に伝えているのかもしれません。占いなどにおいて月が女性を連想する考え方も、このことと大きく関わっているような気がしています。

はじめからおわりまで

この状態は、彼女が両手に持つ魔法の剣と、彼女が宇宙を量る天秤または球体によって象徴されており、最初のアルファは最後のオメガと正確に釣り合っている。これらは、最終審判のジュデックスとテステスである。特にテステスは、現在のすべての経験を吸収し、変換し、最終的に剣の操作によって、さらなる顕現へと受け渡すという、審判の秘密の過程を象徴するものである。これはすべて、図が形成するダイヤモンドの中で行われる。

引用:Adjustment - Crowley Thoth Tarot

実ははじめからおわりまで、顕在意識の自分が気づかないところでこのプロセスは粛々と行われていました。これが、生まれた時から持っていた、そしてこれからも失うことの無いクリスタルの秘密だったのです。

それぞれの思考に対して、その正反対のバランスをとる。
これらの結婚が、イリュージョンを消滅させることだからです。

引用:Adjustment - Crowley Thoth Tarot

自分の作り出した問題という”幻想”を打ち消すために、その対極にあるものを冷静に見つめてみる。そのとき不意に、こころのなかで肚落ちするものが見えてくるかもしれません。