ルーツを訪ねて

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歳を重ねてわかる本当の価値

最近、定期的に実家に帰省しているのですが、60代も後半になる母親が「佐野元春とかいいよね~」なんて言っていたのを思い出して、自分でもきちんと聴いてみたくなってレンタルしてみました。

最近ではシティポップの名で80'sのJ-POPが海外でも再評価され、人気が再燃しているようなので、その流れでわたしも興味半分だったのですが、酸いも甘いも経たこの歳だからか、彼のメロディがド直球でこころに響いてくるのです笑。ほんとに良いです、佐野元春

とくにアルバム「No Damage」。日本音楽界の傑作でしょうね、このアルバムは。

日本がバブル景気に湧いていて、おまけにクローズドな時代背景だったこともあり、この年代のJ-POPは宝石箱のように時代の中に閉じ込められていた、そんな話をテレビでしていました。

確かにその通りだなと感じています。わたしの親世代がちょうどリアルタイムで聴いていたと思いますが、そのジュニア世代であるわたしたちが聴いたとき、あらためて胸に響いてくる曲がほんとに多いのです。

音楽に対する美意識の結晶というか、結局はシンプルな形で表現したものがいちばん美しい、そんなことを訴えかけている気がします。

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人生の無駄なものを削ぎ落としていく。わたしもそんな段階に脚を踏み入れたということなのかもしれません。

ご先祖様へご挨拶

そんな母親も、いま住んでいる集落から生活の便が良い街側の新居へと引っ越す時期が迫っていて、わたし自身もお世話になった実家を離れるということに、すこし寂しさも感じていました。

昨年、体調を崩して仕事を辞めようという時期に実家で療養していた際、ふと家系について母親に尋ね、家の資料を見せてもらっていたのですが、自分のルーツに薩摩の礎を築いた方とも関わりの深い偉大な和尚さんがいたことを知りました。

引っ越し前にせっかくなのでこれまでの感謝を伝えるため、生涯お勤めしていたというお寺を尋ねることにしました。

志布志市市役所近くにある、大慈寺というお寺です。

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廃仏希釈で一度は廃寺となったようですが、その後再建され、現在でも指定文化財として健在しております。

最初、市役所を挟んだ少し離れた場所にある「開山堂」というお堂を訪ねたのですが、母方の旧姓が刻まれた墓石もあったので、うちと関わりがあることはほぼ間違いないようです笑。

今日はあいにくの雨でしたが、逆にお寺の雰囲気と合っていて、これはこれでアリだなと思いました。

お寺の門では阿吽の仁王像がお出迎え。過ぎゆく月日を感じる、非常に趣がある像です。

建物は古いですが中は綺麗に維持されていて非常に居心地がよく、なんだか初めて来た気がしません笑。写真右側にある中庭が綺麗だったので写真を撮りたかったんですが、他の方も拝観されていたので今回は遠慮することにしました。

小さいながらも存在感のあるお寺で、和尚さんが生涯過ごした気持ちがなんとなく伝わってくる、非常に落ち着いた雰囲気の場所でした。わたしのいまの心情とも重なるものがあり、もしかしたら呼ばれたのかもしれない、なんてことを思いながらお寺を後にしました。