月に映す姿

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春分の日に重なる偶然

先週から引き続き、なんだか気持ちがモヤモヤする頻度が増えている気がします。これも自分自身の気の持ちようだと思っていますが、わたしも人である以上、どうしてもその要因を外の世界にばかり見てしまう傾向があるようです。

なんでもかんでも何かのせいにしても、あまり良い結果は生まれないとも感じているので、変えられない外の世界に思い悩むよりも、自分で変えられる足元や内側のことに”より”注力していきたいものです。

昨年から占いについていろいろと学んでおきながら、”月の満ち欠け”についてかなり無頓着に過ごしている自分に気が付きました。これでは見習い師(?)として示しがつきません。明日21日の春分の日翌日に偶然にも月が新月を迎えるので、これからは今までよりも月の動きを意識して過ごしてみるのが良いかもしれませんね。

人間の身体の8割?は水分でできているらしいので、海の満ち引きをも動かす月のチカラというのは当然人体にも影響するものと考えられます。となると、満月や新月などの光の満ち欠けも、人の感情となにか深いつながりがあるのではないかとも感じてしまいます。

自分自身の影

当たり前な話ですが、月の満ち欠けは太陽光を反射することで起きる現象です。太陽と月との関係性、それは占いにおいては"魂の自分と自我(エゴ)の自分"として捉えることができます。

タロットに当てはめると、太陽のティファレトと月のイエソドをつなぐ"25 Samech"のパスに割り当てられた「XIV Temperance」、「節制」のカードが該当します。

rider-waite.com

節制のカードについては、以前トート版を取り上げて書いたことがありますが、最近はウエイト=スミス版の解説本である「The Pictorical Key to the Tarot」を読んでいるので、せっかくなので今回はこちらも少し見てみたいと思います。

この唯一の作者解説本を、さらに日本語で丁寧に解説されているサイト「ミステリーアート の再開発地」を読んでいたところ、奇遇にも前回の記事中に登場した「虹」の記述部分があり、少しテンションが上ってしまいました。

天使の右にあるのは、「Iris/アヤメ」です。これは、ギリシャ神話のイーリス(Iris)女神を象徴していると思われます。イーリス女神は海と空を司る「虹の女神」で、伝令者(ヘルメス)の杖と水差しを持ち、翼のある若い女性として描かれます。彼女は、水差しで海から水を汲み、雲へと注ぎ、この世界を水で満たします。個人的には、ミカエルよりは、このイーリス女神の方が、このカードの象徴に合っているようにも思えますが、ウェイト氏は、ミカエルの方がお気に入りだったようですね。

引用:MAのライダーウェイト・タロット解説−節制

足元の自然の中に間接的に女神のシンボルを描いているのも、なんだか意味ありげですよね。調べたところ、アヤメは病を治す薬としても使用されているようです。

虹は未来や希望への架け橋としての象徴でもあり、蒸発した水が光と合わさることで起こる現象です。未来志向としての光が、癒やされた感情としての水と掛け合わさることで山頂までの道が開けるということでしょうか。感情とは主に過去の出来事から想起されるもの。起こった出来事を自分はどう捉えるか、それ次第でつながる道も変わってくるのかもしれません。

”25 Samech”のパスには射手座が割り当てられていて、またまた奇遇にも前回記事中に登場したカード「Swiftness」に描かれたシンボルでもあります。この星座が持つ「個を越えた視点」、すなわちエゴから魂へと通じる視点が、これからのあたらしい自分の影(月)を描いていくのかもしれませんね。

時代の大きな移り変わりであるいま、このバランスのとれた中庸の視点を意識しながら、こころ穏やかに過ごしていきたいものです。